数式をなるべく使わない電磁気学

  1. 対象:物理学未履修者
  2. 目標:電磁気学のトピックス(場の運動量、光の速さの定数性、電磁波の伝搬など)をなるべく数式を使わずに説明する。
  3. 背景:ダイポールをチャージの組として扱った場合、E⇔D,B⇔H の区別はしなくてもよい(真空中の誘電率透磁率で比例)から、マクスウェル方程式のローレンツゲージでの一般解は、クーロン力とビオサバールの法則に対してソースからの影響が観測点に光速分だけ遅れて届く遅延項を付加したものになっている。つまりは、高校で教える電磁気学の全ては、クーロン力とビオサバールの法則に帰着される。

資料

マクスウェル方程式の一般解(ローレンツゲージ)

ファインマン物理学Ⅲ 20章3節(P264)より

○
○

ここに

○

点粒子系

Maxwell 方程式の一般解が与えられているのだから、これを作用に代入することによって、点粒子に関するダイナミクスに置き換えられるように見える。

○

↓代入

○

時間遅延の項があるので、Taylor展開で考えると、Xi(t) , Yi(t) , Zi(t) の力学系に高階微分の項が現れることになる。
⇒つまり、高々2階微分までで抑えるためには、場とそのダイナミクスを記述する項を省くことはできない。
⇒遅延項○ を、近似的に省けば、この問題は無くなる。つまり、場の存在は、単に計算の便宜に過ぎなかったことになる。

つまり、場の量が単にチャージあたりの力の大きさというだけではなく、自由度として省くことの出来ない物理的実体であることの本質は、この遅延項に由来する。

議論

ローレンツ力で磁極が電荷から受ける力の大きさを云うときに「作用反作用法則」を使ってはいけないという話がありました。場の運動量に関して明確にされていないから。⇒電荷と磁極の相互作用の場合、E×B の分布に関しては対称的なので、結果的には問題ないが、配慮する必要はある。

以上■

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