慣性の法則/慣性系/相対性原理

 冷静に良く考えてみるとこれらの概念は独立ではありません。定義に幾分重複が見られます。そのためいくらかの混乱が生じます。これに気が付かないと、話が堂々めぐりにつっこんでしまいます。これらの法則を整理します。

1、前提

 速度などを定義するために、「質点」「時間」「距離」「平行移動」の4つが先験的に存在すると仮定します。
質点 物体の位置を、大きさを無視できる点で代表したもの。その物体は、回転しないものとする。必ず質量を伴う。(ここでは「質量」の詳細な定義をする事を避けます。質量は「天秤で量られる量」です。)
時間 時計で量られる量。(ここでは詳細な定義をする事を避けます)
距離 モノサシで量られる量。(ここでは詳細な定義をする事を避けます)
平行移動 2点を結ぶ線分の移動のさせかた。向きを変えず、線分の長さも変えずに、移動する。

2、座標の設置

 「速度」を定義するために位置の記述の仕方を定める。
 空間が3次元の場合、同一平面上にない質点を任意に4つ選びだし、その4点を基準として、距離と平行移動を用いて他の質点の位置を記述する。

3、速度

 単位時間当たりの点の位置の変化。時間が経過しても質点の速度が変わらない運動を等速直線運動という。

4、慣性系

 着目している空間領域内で、
任意の2質点が互いに等速直線運動をする系。
すなわち、座標の記述に用いた4質点を任意に取って、その他の質点が全て等速直線運動をする系。

5、局所慣性系

 慣性系の着目領域が、一点とその近傍に限られる場合。「近傍」の大きさは、その大きさに応じて生じる誤差の大きさによって上限が与えられる。

6、結論

 以上のように慣性系(又は、局所慣性系)を定義すると、慣性系(又は、局所慣性系)に於いては、慣性の法則と相対性原理は自明なものとなります。物理的な原理としては着目する系(=着目している領域と、その内部の着目している質点の集まり)が慣性系に該当するかか否かという視点に絞られます。

7、いいわけ

そのうち、もっと丁寧で分かりやすくて一般的な記述に書き直します。

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