高校生と文系のための相対性理論

by 今野 滋

大学受験にも役立つ(?) 相対性理論。文系のかたにもお奨めです。

Since 1998 〜

 この企画は、私が予備校(代々木ゼミナール)の講師をしていた頃、独自性のある参考書を作ろうとして始めたものです。相対論を理解することを目標に、高校物理の範囲を一通り勉強してもらおうと言う企みでした。しかし、現役高校生のニーズは、受験と関係なく相対論をやってみたいといった声が多く、だんだん、相対論そのものの話に変わっていきました。

 本サイトのテキストは、相対論を正しく理解したいと思っている人たちのために書かれてあります。いたずらに話題性を煽ることはせず、わかりやすくするよう努力しております。折を見て、少しづつ改訂していきますので、ご意見、ご感想などお寄せください。

活動記録

テキスト目次

☆印は、難しさを表します。☆の数が多いほど難しいです。今後、どうやって易しくしていくかが課題です。

  1. 光の速さ
    1. 光の速さの値
      1. 光は瞬間には伝わらない
      2. いろいろな光も同じ速さ
      3. 光の速さの正確な値と長さの基準の設定☆☆
    2. 光の速さは変えられない!?
      1. 光の正体は?
        1. 来た!
        2. 光は波☆
        3. 光は粒☆
        4. どっちですか?
      2. 光の速さの不思議
        1. モノと波と光の速さ
        2. 走るソース☆
        3. 見物人 走る
        4. 走って測る光の速さ☆
        5. 結論
      3. 光速定数性に関するいくつかの注意点
    3. 走っても光の速さが変わらないなら・・・
      1. 走ると歳をとらない!?☆
      2. 目的地が近くなる☆
      3. 進行方向と垂直な方向にはやっぱり縮まない
    4. 光の速さは超えられるか? その1(超音速の教訓)
      1. 音の速さは超えられない!?☆
      2. だから光の速さも超えられない☆☆☆
      3. タキオンロケット
    5. 光と質量☆☆☆
      1. 光を吸収した物体の質量は増える
      2. 光子の質量
        1. 光は止められるか?
        2. 光は E=c|P|
        3. 閉じこめられた光の質量
  2. 相対性・対称性
    1. 相対性・・・って何?
    2. ガリレイとニュートンの相対性理論☆
      1. 飛び出すな!車は急に止まれない
      2. 位置と時間の表現方法
      3. 遊園地に行こう
      4. ガリレイ変換
    3. ローレンツ変換 導出編
      1. 同時の相対性
      2. アインシュタインの相対性原理
      3. 空間1次元の場合
    4. 光の速さは超えられるか? その2(速度合成)
      長い棒を振り回せば、先端の速さは光の速さを超える!?
    5. ローレンツ変換 図解編☆
      1. グラフでナットク
      2. 超光速と棒とタイムマシン
  3. 謝辞
  4. 参考文献など

本稿をお読みになる前に

  1. 「時間が伸びたり、空間が縮んだりする話」にだけ興味がある人は、テキストの1-3 だけを見ていただければ、用は足ります。しかし、「なぜそうなるのか?」「もし、それが本当だったら、何が云えるのか?」というところが一番大切です。また、物理には、時間や空間といったテーマと同じぐらい不思議な話がたくさんあります。
  2. 文系の人にもオススメと言っても、「哲学」については書いてありません。ものの述べ方や、言い回しや、用語の言い替え方や、思想などの歴史的経緯の批判や再構成についても、全く感心がありません。対して、純粋に真面目に空想ではない科学技術としてのタイムマシンや超光速の実現可能性を追求してみたいと思っている人などには、何らかの助けになるかもしれません。
  3. 内容が難しいところは、メニューに☆印や(難)等と書いてあります。読んでもわかりにくい場合は、飛ばしてしまっても何とかなる様な構成にしてあります。(難)等と書かれていない部分で難しいと感じたり、あまり理解できなかった部分がありましたら、ぜひ御一報願います。しばらくすると、わかりやすく改訂されていることでしょう。

ご注意

  1. ネット上の記事、メーリングリストでの発言、SNS(mixi,GREE など)、本など、広く流布されるものを書かれた際に、本稿を参考にされた場合は、必ずそのことを本文中またはリファレンスに明記してください。
  2. 私(今野)が書いた記事を、細部の言い回しを書きかえるだけでほとんどそのままの内容を自分が考えたものとして発表する人がいましたが、そのようなことはなさらないようにしてください。
  3. noieこのページのデザインは、web標準に準拠して作成する方針です。マイクロソフト社製品は無視していますので、インターネットエクスプローラで閲覧すると、表示が崩れる可能性があります。Firefox, Opera, Safari などの標準に準拠した優良ブラウザにてご覧ください。

本稿は高校生と、文系の大学生を読者に想定しています。 もともとは、大学への受験参考書を作る意図だったのですが、 だんだん当初の目標とは違うものになってきています。 結局、本稿は、相対性理論について書かれたものだと思っていただけましたら幸いです。 世間には一般の人向けの相対性理論に関する通俗書が昔からたくさんあります。 しかしながら、自分が高校生であった頃を振り返ると、わかりやすくて、しかも、 内容をきちんと押さえてある本になかなか巡り会えなかった記憶があります。 しかも、「時間と空間」の不思議さだけに焦点を置いて、科学としての位置づけに、 ちゃんと触れていない本が、とても多いです。 いろいろ読んでみたものの、どれもしっくりこないものがあり、 結局、一番わかりやすかったのは、アインシュタインによる原論文の日本語訳でした。 ただし、もう少し程度を上げようとしたら、とたんに難しくなってしまいます。 高校生にとっては、学校の勉強がメインなのであって、 そこまで、のめり込んでしまうわけにも、いきません。 科学の派手な(?)分野も中身をきちんと理解できて、しかもその上、 学校での理科と数学の成績向上にもつながるような、 そんな相対性理論の本があっても良いのではないかと考えました。

 「アインシュタインの相対性理論は物理学の世界に=革命=をもたらした」と、よく云われていますが、それはとんでもない誤解です。当時の電磁気学の法則を、力学の法則と適合するように、最後に完成させたのがアインシュタインの相対性理論です。そういう意味では、高校物理の熱力学以外のほとんど全ての分野を網羅することになり、相対論は高校物理の参考書としては誠に都合の良いテーマなのかもしれません。

今のところ、本稿は、高校の物理をある程度学んだ人にしか、 理解できない様な部分もあります。 どうやって、日常の体験や学習と結びつけていくかが、今後の、大きな課題となっております。 とりあえずは、一通りストーリーを完成させるために、相対性理論そのものに焦点を当てて、作成し、だんだんと改良を加えていく予定です。 尚、理科系の大学生も飽きないように、適宜「参照」を付けました。 意欲的な人には、通俗書や、教科書の他に、原論文にも触れてみることをお奨めいたします。

これを読まれた高校生の方と、文系の方は、ぜひ、感想を寄せて下さい。教育関係者と理系の方には、ぜひ、ご意見をお願いいたします。特に手際良く正しく理解できるようになっているかどうかが関心事です。 (1999年03月)


このページを作ってから、はや10年近くがたつのですが、意外と見に来る人もいるということがわかったことと、ロンドンに住んで音楽の生演奏を聴いたり絵画を見たりして、しばしば感動し、物理でも人に感動を伝えられないものかと思案するようになり、最近本稿の手直しを再開しました。「教育的な配慮」の側面はもうどうでもいいやと思って次のバージョンを作成してあったのですが、意外と「教育的」側面が評価されていたりして、この初版を手直しする気になったわけでもあります。久しぶりに見直してみると、ささいな間違いが所々にあったりします。明らかに本稿をまねしたらしいサイトにもそのまんまに同じ間違いが出ています。すみませんねホントに。なお、2005年には、アインシュタイン奇跡の年から100周年ということで、比較的親切な相対論の本がいくつか出たようです。(2007年2月)

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