高校生と文系のための相対性理論

青少年のための科学の祭典札幌大会出展内容

1999年10月9日〜10日

今野滋

 小中学生相手に一般相対性理論を理解させることができるか? 無謀な企画にトライしてみました。 反応は思っていたよりも良かったので驚きました。 内容は、紙を切り張りしてもらって、平行線がどうなるか、定規で線を引いてもらいます。使った4種類のシートを以下に表示します。
まず、宇宙の始まりの話をして、興味を引きつけます。 次に、コスミックストリングが存在する時空を用いて、ウォーミングアップ。 欠けた角度の存在により、平行線が延長すると交わってしまいます。 大人に欠けた角度の説明するときのために、数式も書き込んでおきました。

次に、重力が時間の歪みとして捉えることができることの説明。まず、ものを落として、落ちる理由を尋ねます。小学生もみんな良く知っていて、引力が有るからだと言う答えが返ってきます。ニュートンの話をして、アインシュタインの紹介をします。そして、時間の流れの違いが、引力を生じさせることの説明へと行きます。
この図は、説明のためにとても誇張して有ることは、フォローしておきます。
ブラックホールの解説の前振りとして、質量があるところでは、道のりが長なる事を説明します。

マイナスの質量がもしあったらどうなるかの解説。プラス質量からの類推で、マイナス質量が目的地を近くして、光の速さを超える事ができるようになることの解説。切り張りされた用紙の形を、ワームホールの模型と比較して、ワームホールを通れるように維持するには、マイナスの質量が必要であることを解説。

最後に、カシミール効果によって、マイナスの質量を持つ物質が実験で作られていることに言及。未来の課題を子ども達に伝えて終了。

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